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事例

掲載日:2022年8月1日 印刷ページ表示

事例1

3月下旬(水曜日)午前中、晴、妙義山「かにの横這付近」
親子3人でのハイキング。子供が落としたバックを拾おうと、母親(44歳)が、登山コースを外れて、崖から滑落して足を骨折した。心配した子供も次々に滑落して、1人が亡くなった。

反省点

妙義山は、かつては海底だったものが、地殻変動により隆起し、浸食や風化により、全体が奇岩の集合体の山です。コースを外れると、至る所に崖があります。樹木や植物で崖に気付かないことも
多いため、一般道であってもコース以外には立ち入らないでください。

事例2

7月中旬(金曜日)夕方、雨、谷川岳「いわお新道」
登山仲間女性3人による谷川岳登山。1人は、疲労から登頂を中止したが、残る2人は登頂し、休憩をとって下山した。途中、1人の女性(59歳)も疲労から遅れはじめ、徐々に2人の間が離れて、単独での下山状態になった。濃霧が発生したこともあり、道標を見落として「いわお新道」に迷い込み、疲労と不安から行動不能となった。

反省点

少人数のパーティーでもリーダーを決め、リーダーの下、全員が無事に下山できるように努めてください。1人でも遅れはじめたら、一緒に行動し、励まし、休憩するなどして、時間が遅れても無事に下山しましょう。また、非常に備え、全員が携帯電話などの通信機器を持って行ってください。本事例でも、通信機器がなかったため、仲間との連絡や救助要請等ができませんでした。

事例3

8月中旬(木曜日)朝方、晴、谷川岳「西黒尾根」
親子2人による谷川岳登山。急激な運動により、持病の心臓病が再発した父親(77歳)が、頭痛と動悸を訴え、歩行不能となった。

反省点

心臓病などの持病がある場合、登山を計画する段階で主治医の診察を受け、登山が可能か相談し、アドバイスを受けて下さい。

事例4

9月初旬(日曜日)夕方、雨、尻ヶ禿山
男性(・・歳)による単独登山。下山する途中、古い道標を見てコースを誤り、更に道標を見落とし、沢を3本越えた地点で、道に迷ったことに気付いた。正午すぎに登山を開始したため、日没が迫っており、携帯電話で救助を求めた。

反省点

周囲の状況や歩いている道の状態から「おかしい」と感じたら、道標等の目標物のあるところまで戻りましょう。事例でも、早朝に出発していれば、目標物に戻り、自力での下山できたと思います。天候の急変や道迷いに備え、余裕を持った登山計画をたてましょう。また、日帰りの予定であっても、非常時に備え、ビバークの装備を持っていって下さい。非常事態に遭遇し、これを自らの知恵と判断で克服することも登山のだいご味ですし、登山技術の向上につながります。

事例5

9月下旬(月曜日)夜、晴、日光白根山
兄弟2人(79歳、76歳)による登山。道が台風などにより荒れていたことから下山に時間がかかった。さらに、記憶にある道と現在の道が違っていたため、道に迷ったと勘違いしてコースを変更したことで、下山道を完全に見失った。ザックを置き忘れるなど、半ば、パニック状態でさまよい、ビバークして一昼夜を過ごした。

反省点

事前に、登山コースの状況や気象状況を確認したり、自分の年齢や健康状態に応じたコースを選ぶなど、綿密な登山計画をたてましょう。また、昔の記憶に頼ることなく、地図やコンパスを確認するなどして、正しいルートを選んでください。

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